ここでは数年間、エブリィワゴンで車中泊をしてきた使い勝手について記載します。
エブリィワゴンは軽自動車のワンボックスカーとしては最大室内サイズを誇りますが、使い勝手は大変良いです。
専用のベッドマットを使用していますのでセッティングも大変スムーズにできます。
ただし、軽自動車の限界もありますのでそのあたり解説します
- 軽自動車としては最強クラス
- 良い所
- 大人が寝ても十分な長さを確保できる
- 荷物置き場が確保できる(ラッゲージボードステーの使い勝手が良い)
- 室内高がありあぐらを組んでも頭が天井に着かない
- 二列目の後部座席が広い、調節も細かくできる
- フルフラットでも靴の置き場がある
- エブリィワゴンの車中泊仕様のオプションがネットで入手しやすい(沢山売っている)
- 悪い所
- 室内空間全てを使うので、荷物の置き場所が少ない
- フルフラットにするのに荷物の入れ替え・置き場所に悩む
- 微妙にフルフラットではない
- スライドドアを開けたら車中泊している室内が丸見え
- フルフラットにすると即座に運転は厳しい
- ハッチバックドアのガススプリングが邪魔
- 個人的に最強のシートアレンジはこれ(但し一人用)
- 軽自動車車中泊での容量不足を補う方法
それでは1つずつ解説します。
軽自動車としては最強クラス
エブリィワゴンは軽自動車のクラスでも最大室内サイズを誇り、車中泊で軽自動車ではこの車を選んで間違いないと思います。使い勝手も良く考慮されており、室内の内装をこてこてに改造したくない場合は”エブリィワゴン”が正解です。 (逆に自分でDIYで内装をまるっきり変えたい時などは自由度のきくエブリィ(バン)の方が良いでしょう。我が家は見た目や普段使いの買い物などで車中泊仕様の匂いをほとんど醸し出さなようにしています。
(後部にヒッチキャリア・ボール突き出ている時点でもう普通車ではないですけど)
エブリィワゴン車中泊の良い所
大人の男子が寝ても十分な長さを確保できる
運転席、助手席のシートを前にスライドすることで、高身長の大人が寝ても長さが十分に確保できます。
特に助手席側はシートが倒せますので、助手席をまくらがわりに使えば2mの大人でも寝れるぐらいです。
私は市販のベットマットを購入しています。 二列目のシートを倒した時に荷台の高さと微妙に段差がありその差を中和するためとエブリィワゴン専用ベッドマットがとても良くできているためお金で利便性を買いました。
しかし、どのベッドマットも160cm程度の(一列目のシートをスライドさせない前提での)長さしか売っていません。エブリィワゴンは1列目のシートを前にスライドすることで初めて大人が寝れる長さを確保できるため、拡張マットが必要になります。 ここは自作しています。
我が家はエブリィワゴン専用のベットマット+手作りの拡張マットを自作してこのサイズを実現しています。
荷物置き場が確保できる(ラッゲージボードステーの使い勝手が良い)
普段使いはラッゲージボードステーの下段のスライドに自作のボードを差しており、ベッドマットも常に下段に収納したままです。(ベットキット+拡張マット+全面サンシェード+二列目のテーブルなどなど)
運転するときはラッゲージボードステーを下段にして荷台スペースを確保します。
車中泊をするときはラッゲージボードステーを上段にして室内空間、快適性を確保します。
なお、ラッゲージボードステーを上段にすると(荷物無ければ)テーブルにもなるという優れものです
室内高がありあぐらを組んでも頭が天井に着かない
車中泊において、車内で着替えができること、就寝以外にくつろげる空間であることの条件に「あぐらを組んで座れるか」があると思っています。 就寝前の歓談や食事休憩など、必ずこの用途は発生します。
床下をベッドキット等で底上げして収納空間も確保とか考えましたが、座高を確保するにはどうしても底上げNGでエブリィワゴンの床下をそのまま利用するしかないという考察になりました。
(その分、荷台のラッゲージボードステーを使って上に荷台空間を作りましたが)
エブリィワゴンであればフルフラット状態でも天井に頭が付くことはないので快適だと思います。
二列目の後部座席が広い、調節も細かくできる
エブリィワゴンの最大のウリとして二列目がとても快適な広さがあると思います。普段使いの時に真価を発揮して荷物空間も広いので二列目は常に最大まで後ろにスライドしておきます。
キャンプ時には荷台の広さを確保したり、ものによっては長さ確保のため二列目を前にスライドしたりと用途に応じて細かく長さ調整が効きます。 普段使い&キャンプ利用の両面でこの使い勝手はとても良いと考えています
二列目に人が乗らない際にはアイリスオーヤマのRVBOX1150Dや1150Fがそのまま入ってしまいます。
足元におくとさらに収納空間が増えます
フルフラットでも靴の置き場がある
車中泊をするうえでリアルに困るのが靴の置き場所です。 これが結構リアルに直面します
- 靴を脱ぐとき
- 脱いだあとに靴を回収するときに、フルフラットの位置から地面まで高低差があるので、靴に手が届きにくい。かがむと自分が外に落ちそうになる
- 靴を回収したときに靴の置き場に困る(特に雨の日など靴底から水が滴っている状態のとき)
- 靴を履くとき
- 靴を外に置くときにフルフラットの位置から地面まで高低差があるので置きにくい。無理に投げると靴が上下反対になり、直すのが面倒。憂鬱になる。
- そもそも靴に足を入れる行為が(靴が遠いので)履くのが面倒
トイレに行ったり、起きて外にでるときなど靴は手の届く場所に置くもの、車中泊のフラット状態から靴を履くときに地面まで高低差があるので靴を回収するのがこれまた苦労します。
エブリィワゴンが良い所として、二列目のステップ部分に靴を置いたままスライドドアを閉められる点です。
赤枠のステップ部分に靴を置けます(揃えて置くのは無理なので縦に並べておきます)
慣れてくると手を使わずに乗り降りができます。
ただでさえ狭い軽自動車での車中泊はフラット状態を最大にするため、このようなスペースが大変重宝します。
エブリィワゴンの車中泊仕様のオプションがネットで入手しやすい(沢山売っている)
車中泊がしやすい車は車中泊を快適にするグッツも沢山売られています。 軽自動車ではエブリィワゴンも人気車種の1つです。
エブリィワゴン車中泊の悪い所
実際使ってみて残念だったことなど記載します(どうしようもない事も含む)
室内空間全てを使うので、荷物の置き場所が少ない
軽自動車の車中泊全般に言える事ですが、荷台と二列目シートだけでは十分な長さを確保できず、運転席や助手席などもスペースを確保するために巻き込みます。 そうなると室内全て巻き込むことになりますので、荷物の置き場所に苦労します。 運転席も一番前までスライドしたりしますので、手持ちバック程度であれば問題ないですが大きな荷物など置き場に困ることになります。
フルフラットにするのに荷物の入れ替え・置き場所に悩む
これも荷物の置き場所が少ないことに関係していますが、シートレイアウトを変えるということは、そこにあった荷物などはどかさないといけません。 アレンジを変える際にものを移動する順番すら考えないといけない事があります。 呑んで面倒に感じる前に、明るいうちに目的のレイアウトにしておきましょう
一番の大仕事は荷台のラッゲージボードステーの下段上段の移動です(面倒なら最初から上段にしておけよとかは置いておいて) パズルのように一列目、二列目、荷台と荷物の移動が始まります。
微妙にフルフラットではない
エブリィワゴンとエブリィバンの違いになります。 エブリィワゴンは二列目のシートアレンジが多彩、快適である反面、シートが分厚いです。 おおよそ5cmぐらい荷台の高さより盛り上がっています。
たがが5cmとはいかず、この高低差で寝るとストレスが大きいので埋める必要があります。ホント気になって眠れない。 (私はエブリィワゴン専用ベッドマットで解消しています)
スライドドアを開けたら車中泊している室内が丸見え
これも(軽自動車関係なく)車中泊にありえるお話ですが、寝ている所や中を覗かれます。
相手がそのつもりなくても、珍しいので無意識に見入ってしまうのだと思いますが、相方が寝ているときなど少し気まずいです。 辺りが暗い時などはあまり気になりませんが、すっかり明るくなってスライドドアを開けたら人が歩いていたということがあります。(特に高速道路のサービスエリアやパーキングエリア)
そこから身を乗り出して靴を履くのを見られるのも嫌なんですよね
フルフラットにすると即座に運転は厳しい
寝る空間を確保するために一列目のスライドまで一番前に移動するためです。 (スライドしないで寝れるのは150cm台の大人まで) いざとなったら(今だそんなシーンに巡り合ってはいませんが)即座に移動できるというのが良いのでしょうけど実際には人が入り込むスペースがありません。
専用ベッドマットは160cmまでで1列目のシートスライド不要の長さです。 私が自作で拡張マットを敷くためにそうしています。 ただし、拡張マットの取り付けも簡単なように、取り外して運転できるようにするために1分かからないのですが、そのためには一度外に出てドア側から調整が必要です。
※室内から運転席に移動して座るだけで即運転と比べると劣るなという程度の意見です。
ハッチバックドアのガススプリングが邪魔
これは実際に使った人なら一度は喰らう事かと思います。
荷台の室内空間が縦に結構積めるので目一杯収納できます。(テトリスみたいに綺麗に収まったなら鼻高々もんですよ) しかし、閉まらない時があるのです。 それがこのガススプリング(ハッチバックの突っ張り棒)です。
室内から延びているのでドア閉めるときに室内に収納されるのですが、こいつが以外に荷物にぶつかる・干渉します。
気分よく勢いつけてハッチバックを閉めないようにしてください。(折れますよ。まじで)
そのため、自分は大量に荷物を積むときには干渉しないかをゆっくり仮閉めして確かめたあとに正式に閉める癖が付きました。
いかがでしょうか? 人によってはそれはデメリットに入らないという意見もあるかもしれませんが、参考としてとらえてください。
個人的に最強のシートアレンジはこれ(但し一人用)
単純に二列目のシートを両方フルフラットにしないで片面だけフルフラットにするのが良いです
(写真で運転席側をフルフラットにしていますが、助手席側をフルフラットにする方がメリット多い)
というのが
- 大人が寝ても十分な長さを確保できる(助手席側のフルフラットなら2mでも寝れますよ)
- 外に出るとき、一度二列目の座席シートに移動して靴を履いて通常姿勢からスライドドアを開けられる
- (一人しか寝ないなら)二列目の座席シート側の荷台は荷物置き場として十分な広さが確保できる
- (助手席側をフルフラットにすることで)有事の際に室内から運転席に移動でき、すぐに発信できる
使って実感しますが、靴が普通に置ける・脱げること、スライドドアを開けた時に座った姿勢で開けられることはホント重宝します。(特に高速道路のサービスエリアやパーキングエリアなど四六時中人の出入りが激しいところ)
軽自動車車中泊での容量不足を補う方法
これはどこのサイトでも書かれていそうですが、紹介します。
軽自動車で車中泊しながら荷物をどこに置くかは本当に悩みます(手ぶらで車中泊だけしに目的地に行くわけでもないので、だいたい荷物多いですよ。 メーカーのカタログではノー荷物で室内広々とうたいますが、あんなシーン殆どないです)
ルーフキャリア
ルーフキャリアバッグ
ルーフキャリアにバックを取り付けて雨にも濡れないように対策します。
このバッグも使い勝手がすごく良い。 旅行地で買ったお土産や荷物などRVBOXとことなり凸凹などで高さ制限・幅制限など気にせず、どんどん追いやり収納できる。 ソフトなので多少形状の無理もなんなく吸収してくれます。
天井ネット
室内空間で一番上のデッドスペースを有効活用する方法です。 軽い物でちょっと邪魔と思えるものを上にホイホイと追いやれます。
自分はトレーラーを牽引するのでヒッチキャリアカーゴは手を出していません